安武 正治郎 院長の独自取材記事
新小岩眼科分院
(葛飾区/新小岩駅)
最終更新日:2026/05/22
新小岩駅から徒歩1分のビルの2階に位置する「新小岩眼科分院」。「新小岩眼科」の分院で、本院とは対照的に手術を行わず、外来診療のみを行うクリニックだ。院長を務めるのは新小岩出身で、大学卒業後は和歌山県の大学病院などで、子どもから大人までさまざまな世代の目の治療に携わってきたという安武正治郎先生。同院では、近年増えている子どもの近視の進行抑制をめざす治療に注力しているという。親世代への正しい理解を促し、オルソケラトロジーによる近視矯正や低濃度アトロピン点眼薬、近視進行抑制治療用ソフトコンタクトレンズを用いた近視進行抑制を通じて、子どもたちの将来的な視力の低下や合併症の防止をめざす安武先生に、クリニックの診療方針や地域に対する思いなどを聞いた。
(取材日2026年3月26日)
一般診療や小児近視治療、コンタクトレンズ処方に注力
クリニックの特徴を教えてください。

当院は外来診療に特化した眼科クリニックです。私を含む医師2人体制で、一般的な眼科診療をはじめ、小児の近視治療やコンタクトレンズの処方など、日常生活に密接した幅広いニーズにお応えしています。適切な診断と科学的根拠に基づいた治療、そしてわかりやすく丁寧な説明を大切にしながら、「新小岩眼科」の理念と特徴を分院でもしっかりと引き継ぎ、安心して診療を受けていただけるように努めています。常勤の視能訓練士が、一般的な視力検査はもちろんのこと、小児の近視や斜視に関する検査も行っています。白内障や硝子体の手術など専門的な処置が必要な場合には、本院と緊密に連携して速やかに治療を提供する体制も整えています。
院内づくりではどのような部分にこだわりましたか?
院内のデザインは、本院との一体感を感じていただけるよう本院の内装をベースに、壁紙の柄やタイルの色調に変化を加えるようにしました。本院を受診されたことがあれば、初めて訪れてもどこか親しみを感じていただけるのではないかと思います。検査機器は本院と同様のものをそろえているほか、小児の近視治療に使用する機械を取り入れました。この機器では、眼軸長と角膜形状を同時に測定することができ、オルソケラトロジーによる近視矯正や低濃度アトロピン点眼薬、近視進行抑制治療用ソフトコンタクトレンズを用いた近視進行抑制の有用性を評価するのに役立ちます。
力を入れていることは何ですか?

小児の近視治療に力を入れています。近視には遺伝的な要因があり、両親が近視である場合には、子どもも近視を発症しやすくなります。スマートフォンなどのデジタルデバイスを近距離で見て過ごす時間の増加や、屋外で過ごす時間の減少といった生活習慣も、近視の発症や進行に大きく関わっているとされています。こうした背景のもと、近視になる子どもが増えていることは世界的な問題となっています。近視は単に裸眼視力が低下するだけではなく、将来的に緑内障や網膜剥離などの病気を発症するリスクを高めます。近視の予防や早期治療が、お子さまの将来の視力や目の健康を守る上で重要であることを、保護者の皆さまにぜひ知っていただきたいと思います。お子さまが目を細めて物を見ていたり、学校の健診などで視力低下を指摘されたりしたら、まずはご相談ください。
増える子どもの近視、早期の治療で将来の視力を守る
子どもの近視では、どのような治療が受けられますか?

小児の近視治療にはいくつかありますが、当院ではオルソケラトロジーによる近視矯正と、近視進行抑制治療用ソフトコンタクトレンズの処方、近視抑制を目的とした低濃度アトロピン点眼薬の処方に取り組んでいます。オルソケラトロジーは、就寝時に特殊なハードコンタクトレンズを装用することで、睡眠中に角膜の形状の変化を図り、視力の回復をめざす方法です。日中は裸眼での生活が望めます。近視進行抑制治療用ソフトコンタクトレンズは、装着するだけで視力補正に加え、近視の進行抑制が期待できます。低濃度アトロピン点眼薬は、1日1回寝る前に使用するだけと継続しやすく、5歳頃から使用可能です。しかし、近視の進行予防に一番重要なのは、日常の生活習慣です。勉強やスマートフォンの操作などで近くを見る時間が20分続いたら、20秒は遠くを見て休憩するようにするなど、目にかかる負担を減らすために日頃からできることをお伝えしています。
新しい治療にも積極的に取り組んでいると伺いました。
近視進行抑制治療用ソフトコンタクトレンズは、2026年の2月から販売が始まり、当院でも採用しました。というのも、一つでも多くの治療の選択肢を用意することが重要だと考えているからです。近視の抑制治療は小児の頃しかできませんが、小児といっても、年齢や近視度数、コンタクトレンズの管理ができるかなど一人ひとりでまったく違い、選択肢が少ないと適応にならず治療ができないこともあります。つまり、一つでも多くの治療の選択肢を用意することで、近視治療を受けられるお子さんが多くなると考えられるのです。今後も、国に認可されて一般的に対応できるようになった治療法であれば、速やかに導入していきたいと考えています。
患者さんと接する際に、大切にしていることはありますか?

眼科を受診される方の多くは、「将来的に見えなくなってしまうのでは」という不安を抱えて来院されます。私たちは、症状の原因を明らかにして、どのような治療をしていくのかを丁寧に説明することで、少しでもその不安を取り除けるよう努めています。目の状態は画像で確認できることが多いため、検査や診察で撮影した画像を一緒に見ながら、治療経過を共有するようにしています。お子さまに対しては、目線を合わせて優しく話すことを心がけています。大きな検査機器を怖がるお子さまには小さな手持ちの機器を使ったり、時には白衣を脱いで親しみやすい雰囲気をつくったりと、少しでも緊張を和らげられるようにしています。恐怖心が強い場合には無理に診察を進めず、まずは会話から始めて信頼関係を築くことを優先し、安心して受診してもらえる環境づくりを大切にしています。
育った土地に恩返しを、地域に根づいたクリニックに
スタッフさんとはどのように連携していますか?

毎朝スタッフ全員で集まり、良かった点や改善するべき点を共有する時間を設けています。話し合いの際には、役職に関係なく、お互いに感じたことを率直にフィードバックできる雰囲気づくりを大切にしています。診療中も、患者さんに関する情報はその都度細かくスタッフ間で共有し、誰が対応しても安心していただけるよう、チーム全体で一貫した対応を心がけています。また、眼科の知識は医師だけでなく、視能訓練士や受付スタッフも含めて日々アップデートし、患者さんからのご質問にもしっかりとお答えできる体制を整えています。
先生が医師をめざしたきっかけや、これまでの経歴についてもお聞かせください。
私は中学生の頃から新小岩で育ちました。祖父と伯父が医師だった影響もあり、医療の仕事に憧れを持ち、和歌山県立医科大学へ進学しました。眼科の専門性の高さや「目」という小さな器官から全身につながる情報が得られるという奥深さに惹かれ、眼科医を志すようになりました。大学卒業後は母校の眼科へ入局し、大学病院や地域の中核病院でさまざまな診療に携わりながら技術を磨きました。和歌山で働いていたある日、地元の新小岩で新しく眼科が開院することを知りました。それが「新小岩眼科」でした。渡辺貴士院長が、白内障や硝子体の手術に専門的な技術を持っていることは以前から知っていましたが、ご縁があり実際にお会いした際に、クリニックの理念や将来の展望、何より渡辺先生のお人柄に深く感銘を受けました。「新小岩で働きたい」という私の想いを温かく受け入れていただき、この度分院の院長を務めさせていただくことになりました。
最後に今後の展望と地域の皆さんへメッセージをお願いします。

現在の新小岩は、私が暮らしていた頃と比べて若い世代や外国人の方が増え、駅前の雰囲気も再開発によって大きく変化しました。そうした変化の中でも、私を育ててくれたこの町に、地域に根差した医療を通じて恩返しができればと考えています。ご自身やご家族の目に関して気になることがありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。もしも高度な治療や手術が必要な場合には、本院としっかり連携して迅速に対応いたします。地域の皆さんに「あそこに行ったら安心だ!」と思っていただける眼科をめざしていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはオルソケラトロジー/17万6000円~、低濃度アトロピン点眼液/4380円(1ヶ月分)、近視進行抑制治療用ソフトコンタクトレンズ/7425円(片眼、1ヶ月分)

