日野駅前ファミリークリニック (日野市/日野駅)
渡辺 彈 院長の独自取材記事
日野駅から徒歩2分の場所にあるのが、「日野駅前ファミリークリニック」だ。診療科を問わずに相談でき、必要なときには専門の医療機関につなぐ家庭医療を専門とする渡辺彈院長は、小さな子どもから高齢者までの幅広い病気や体調不良に対応。加えて、生活習慣や仕事、家族関係なども含めた全体をサポートすることで、地域の人々の健康の維持や増進に貢献することをめざしている。「この症状だと何科に行けば良いのかと迷ったら、とにかく当院に来てください」と話す渡辺院長に、総合的な医療を提供する理由や、めざす医療について話を聞いた。
症状や年齢で区別しない総合的な医療を提供
最初にクリニックを紹介していただけますか?
当院では、総合的な診療を行っています。体の不調を感じても、何科を受診するべきかわからないときがあると思います。そうしたときに頼りにしていただけるクリニックをめざしています。あえて専門領域に特化せず、幅広く対応できるのが当院の特徴である家庭医療という診療スタイルです。家庭医療とは、専門の診療科を受診する前の一次医療として海外では以前からある考え方ですが、日本での歴史は浅く、あまり知られていないのが現状です。何でも相談できる町のクリニックとして、当院を覚えていただけるとうれしいですね。また、「病気」を診るだけではなく、「患者さん」を診ることをモットーとしています。病気や体調不良は、ご家族との関係性や職場の環境など、患者さんを取り巻く背景が大きな影響を及ぼしていることも少なくありません。そうした環境因子も包括的に考えて治療を進めていくことを大切にしています。
内装にこだわりがあるそうですね。
家庭医療のクリニックとして幅広い年代に受け入れてもらえるよう、内装にもこだわっています。患者さんにとっての居心地の良さを追求しており、ロゴにも使用しているオレンジやグリーンといった暖色系を用いています。また、温かみが出るように木目調の素材を使用したり、待合の壁にタイル風の壁紙を採用したりしています。受付や待合の天井を少し下げたことも、落ち着きのある雰囲気につながったのでお気に入りのポイントですね。来院される方の多くは、何かしら不安や心配事を抱えていますが、そんな患者さんを温かく迎え入れられるようなデザインになっていると思います。
こちらのクリニックをかかりつけにするメリットについて教えてください。
私は、何でも診ることができるよう総合診療を専門に経験を積んできました。そのため、当院に来ていただければ、病気や調子の悪い臓器ごとに複数の病院にかからなくても診察を受けることができるのは、大きなメリットだと思います。実際、風邪や生活習慣病などの内科一般に加え、消化器や呼吸器、循環器などの内科診療に幅広く対応しています。さらには、やけどや切り傷、骨折といった外傷も、一通りの応急処置が可能です。また、お子さんから親御さん、おじいちゃん、おばあちゃんまで、年齢も関係なく、ご家族全員を診ることができます。より専門的な診療が必要だと判断した場合には、大学病院や基幹病院に速やかに紹介します。他に、小児や成人のワクチン接種や健康診断はもちろん、介護の相談などもしていただけます。どこを受診すれば良いのか迷ったときには、当院に来ていただければと思います。
地域の患者に必要とされるホームドクターをめざす
小児科が専門の医師もいるそうですね。
木曜日と土曜日に非常勤で、日本小児科学会小児科専門医に来てもらっています。私自身も、もちろん小児を診ることはできますが、特に小児が専門の医師の診察を希望する方は、こちらも利用していただきたいと思っています。小児に関しては、立ち上がった時や午前中に、立ちくらみ、めまい、頭痛、倦怠感、動悸、腹痛などが起きる「起立性調節障害(OD)」が非常に増えています。小学校高学年から中学生、高校生といった小児から大人への移行期に多く、症状もさまざまで、親子関係など精神的なことが関係している場合もあるなど、治療には総合的な視点が必要になります。当院の特徴が生かせる分野でもありますので、お困りの場合には相談にお越しください。
他に力を入れていることはありますか?
アレルギー科も診療しており、小児から大人までの花粉症や気管支喘息、アトピー性皮膚炎などの診療にも力を入れています。少量の採血で39種類のアレルゲンをまとめて調べる検査を導入している他、スギ花粉症やダニアレルギーの体質改善をめざす舌下免疫療法も行っています。アトピー性皮膚炎の治療も得意としており、従来のステロイド外用薬に加え、新しいタイプの非ステロイド外用薬や、中等症や重症に対する生物学的製剤の注射薬による治療にも対応しています。他に、マイコプラズマや百日咳、インフルエンザ、新型コロナウイルスなどの感染症がわかる呼吸器マルチPCR検査や、気管支喘息などを診断する呼気中の一酸化窒素濃度検査、骨密度検査も導入しています。
訪問診療も始めたと伺いました。
私が専門の総合診療、プライマリケアは、理念として継続性を大事にしています。継続性というのは、小さな頃から大人、高齢になっても継続して診る。外来だけでなく、通院できなくなったら在宅で診ますというのが、プライマリケアの理念なんです。当院にも、通院が難しくなってきた患者さんも少しずつ出てきましたので、その理念に基づいて訪問診療を始めました。私自身、家庭医療を専門に学ぶ中で訪問診療にも長く携わってきましたので、必要な場合には安心してご利用いただきたいと思います。当院のかかりつけ以外の方でも対応しますので、希望する方はご相談ください。
患者さんと接する上で心がけていることはありますか?
患者さんに優しいクリニックをめざしており、声のトーンや表情に気をつけています。マスクをしていると表情がわかりにくく、冷たい印象になってしまいがちです。特に、小さな子どもにとって病院は楽しい場所ではないので、私を見てさらに恐怖心を抱かないよう優しく接するようにしています。同様に、看護師やスタッフにも、患者さんに安心してもらえる対応を心がけてもらっています。患者さんに優しいクリニックというコンセプトでいうと、土日診療もその一つといえます。土日に診療をしているクリニックは少ないと思います。これまでの経験から土日診療の必要性を感じていましたので、地域の方が医療機関を受診できない日がないように土日も診療を行っています。
継続的な医療を提供できる環境をめざして
先生はなぜ医師を志し、総合診療を専門にしたのですか?
私が医師をめざしたのは高校3年生の時で、テレビで放送していた医療ドラマを見たのがきっかけです。普段ドラマを見るタイプではなく、唯一見ていたドラマでした。社会貢献がしたいという大義があったわけではなく単純に、小さな島で一人、医師として奮闘する主人公の姿に憧れたのだと思います。医師を志したきっかけがそのドラマだったこともあり、赤ちゃんからお年寄りまですべての人を診られる医師をめざしてきました。家庭医療という分野に出合ったのは大学を卒業して医師になったばかりの頃です。まさに自分が考えていた医療だと感じました。
どのようにリフレッシュしていますか?
少し前までは、ボルダリングやサウナに行くのが好きでした。ボルダリングは10年くらいやっていたのですが、最近は子どもが生まれて、まだ小さいものですから、自分が遊んでいる場合ではなくなってしまいました(笑)。ですから、最近は休診日でも仕事をしているか、子守りをしていることがほとんどですね。
最後に今後の展望を教えてください。
まず、総合診療や家庭医療を専門とする医師は、まだまだ少ないのが現実です。当院では後進の医師の育成にも携わっていきたいと考えています。そして、これから団塊の世代の方々が徐々に高齢になってきて、今は外来通院ができている人も在宅医療に移行することが増えてくると思います。その点においては、当院でも訪問診療にも力を入れて、「日野市で訪問の総合診療といえば、日野駅前ファミリークリニック」といっていただけるような体制をめざしていきたいと考えています。また、現在は非常勤の医師にも来てもらえるようになり、多くの日で二診や三診で診察ができるようになりました。ゆくゆくは休診日をなくし、困ったときにはいつでも、何でも相談できるクリニックにすることが目標です。