岩見 久司 院長の独自取材記事
いわみ眼科
(芦屋市/芦屋駅)
最終更新日:2026/09/07
阪神本線芦屋駅のホームに隣接するスタイリッシュな新築ビルにある「いわみ眼科」は、「高度な眼科医療を身近に」という理念のもと一般的な目の不調から、加齢黄斑変性や糖尿病網膜症などの網膜疾患、白内障、緑内障、小児の近視まで、幅広く対応するクリニック。院長を務める岩見久司先生は、「誰もが目で困らない人生を送ってほしい」という願いのもと、診療にとどまらず、後進の育成や一般の人への情報発信など院外での活動にも積極的に取り組んでいる。「胸を張れる人間でいたい」と真っすぐに語り、目の健康を守ることを通じて、人生の質や健康寿命の向上にも貢献したいと考える岩見先生がめざす医療とはどのようなものなのか。診療体制や注力している治療とともに話を聞かせてもらった。
(取材日2026年7月29日)
高度な医療を地域に提供するクリニック
まずクリニックの特徴を聞かせてください。

当院は「高度な眼科医療を身近な地域で提供すること」をめざすクリニックです。2018年から芦屋駅近くで診療を続けてきましたが、2025年12月に移転。診療環境の充実をはかり、現在は私を含め3人の眼科医師が常勤し、それぞれの専門性を生かしながら連携して診療を行っています。一般的な目の不調から、加齢黄斑変性や糖尿病網膜症などの網膜疾患、白内障、緑内障、小児の近視まで、幅広い悩みに対応できる体制が整っているのが特徴で、2階には外来・検査フロア、3階には手術専用スペースを設け、精密な検査から専門的な治療まで一貫して提供できる環境です。また、同じビル内には眼鏡店もあり、眼鏡の処方後もスムーズなことは当院の強みの一つ。お子さんからご高齢の方まで、患者さんの目の健康を継続的にサポートしています。
先生のご経歴やこれまでのお仕事について、改めてお聞かせください。
専門的な知識や能力を生かせる仕事がしたくて、医師を志しました。眼科を選んだのは、眼球の美しさや顕微鏡手術に関心を持ったからです。加齢黄斑変性という詳しい発症メカニズムがまだわかっていない病気が専門で、留学先のドイツでは予防策の研究にも取り組みました。帰国後は大阪市立大学医学部附属病院(現・大阪公立大学医学部附属病院)や兵庫医科大学病院で加齢黄斑変性、糖尿病網膜症などの網膜疾患をはじめ、ぶどう膜炎や白内障、緑内障など幅広く診療しましたね。ただ、加齢黄斑変性は患者さんが増えているのにもかかわらず、外来診療日が限られ、待ち時間の長さから治療を中断してしまう高齢患者さんも多くいらっしゃいました。そこで患者さんが通いやすい町中にクリニックを作り、加齢黄斑変性などに対する専門性の高い治療をしようと開業したのが当院です。
治療の専門性を高めるために、検査機器にもこだわっているそうですね。

専門性の高い治療を行うためには、まず患者さんの状態をしっかりと把握することが欠かせません。特に網膜疾患では、わずかな変化を見逃さず、病気の種類や進行度を評価することが、その後の治療方針を左右します。そこで当院では、診断の精度を高めるために、先進の検査機器を積極的に導入しています。網膜の断層を調べるOCTをはじめ、眼底を広範囲に評価できる機器や、視野・見え方の異常を確認する検査機器などを備え、診断や経過観察に役立てています。検査機器はただ導入するだけでは意味がありません。大切なのは、得られた情報をもとに、患者さん一人ひとりに適した治療を提案すること。病気の状態を正しく理解していただき、納得した上で治療に進んでいただくためにも、検査結果をわかりやすく共有することも大切にしています。
小児の近視進行抑制に取り組み、将来のリスク軽減を
特に注力している治療はありますか?

目の病気には結膜炎から白内障、緑内障まで幅広く対応していますが、中でも力を入れているのが、加齢黄斑変性や糖尿病網膜症などの網膜疾患です。これらの病気は進行してからでは視機能への影響が大きいため、早期発見と適切な治療の継続が重要になります。大学病院などで培ってきた網膜疾患の専門的な知識と経験を生かし、地域の患者さんにも質の高い医療を提供したいと考えています。また近年は、小児の近視増加にも注目しています。近視は単に眼鏡が必要になるだけではなく、将来的な眼疾患のリスクにも関わるため、成長期から適切に管理していくことが大切です。そこで当院では、小児の近視の進行抑制にも積極的に取り組んでいます。
小児の近視に対しては、どのような治療や対策が重要ですか?
当院では、お子さんの年齢や生活環境、近視の程度に合わせて、進行抑制を図る点眼や多焦点ソフトコンタクトレンズ、近視矯正に用いるオルソケラトロジー、近視の進行に配慮した眼鏡など、さまざまな選択肢をご提案しています。それぞれに特徴や適応があり、保険診療ではない治療も含まれますので、メリット・デメリットだけでなく費用面も含めて、ご家族と十分に相談しながら治療方針を決めることを大切にしています。また、近視の問題は医療機関だけで解決できるものではなく、社会全体で向き合う必要があると考えています。スマートフォンやタブレットの使用が日常化した今、子どもの目を守るためには、正しい知識を広く届けることが重要です。そこで現在は行政にも働きかけながら、屋外活動の大切さを伝えるなど、地域全体で近視予防への意識を高める取り組みにも力を入れています。
小児の近視進行抑制に取り組むようになったのはなぜですか?

これまで、強度近視によって網膜剥離や近視性黄斑症などの合併症を抱えてしまった患者さんを多く診てきたからです。近視は多くの人が経験するものですが、将来的に深刻な目の病気につながる可能性があることを、十分に理解されている方はまだ多くありません。特に子どもの近視は、眼鏡への抵抗感などから経過を見過ごされてしまうケースも多くあります。近視は「眼球そのものが伸びて変形する状態」だと知らない人も多いかもしれませんね。そのせいで放置され、成長期に進行すると強度近視につながる可能性もありますし、一度変形した眼球は元に戻すことができません。「子どもたちには将来、目の病気で困ってほしくない」という思いが大きな原動力です。
目で困る人を減らして健康寿命の延伸をめざす
他にもさまざまな活動に取り組まれていますね。

大学や視能訓練士の専門学校で講師を行う他、勉強会などでの講演や講義にも力を入れています。先進の検査機器を日常的に活用して診療していますので、そこで得られた知見や経験を広く共有していくことも、専門家としての役割だと考えています。また最近では教育系のオンラインサロンも立ち上げ、講演内容を短い動画にまとめ、若手の先生や眼科の検査職の方にも気軽に学んでもらえる環境づくりにも取り組んでいます。さらに、一般の方向けにはウェブメディアなどで目の健康や病気に関する情報発信も行っています。1人の医師が診療できる人数にはどうしても限界がありますから、正しい知識や診療の考え方を広く伝え、「眼科医療の底上げ」の一端を担っていきたいです。
日々の診療や活動を続けるためのモチベーションは何ですか?
医師として、そして一人の人間として「良い仕事をしたい」「胸を張れる人間でありたい」という思いですね。医療の世界では、専門家である以上、知識や技術を追求し続けることは当然の責任だと考えています。常に学び続け、自分自身を高めていくことでのみ、患者さんにより良い医療を提供できると思っています。眼科医療の進歩は非常に速く、昨日までの常識が変わることも珍しくありません。だからこそ、学ぶ姿勢を失わず、常に新しい知識や技術を吸収し続けることがとても大切。その積み重ねが、患者さんから信頼していただける医療につながるはずですから。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

日本が長寿社会となった今、最後まで自分らしく生活するためには、目の健康を守ることがとても大切です。一方で、目の健康について考える機会が少なく、受診を後回しにしてしまう方も少なくありません。普段はあまり意識することがないかもしれませんが、目が日常生活に与える影響は非常に大きく、生活の質だけでなく、認知機能や介護のリスクにも関わります。見え方に変化を感じた時はもちろん、症状がなくても節目の年齢で定期的に検査を受ける習慣を身につけていただくことが、「見える未来」を守る第一歩になります。当院では今後も専門性の高い診療と充実した検査環境を生かし、現在の症状だけでなく将来の目の健康まで見据えた医療に取り組んでいきます。
自由診療費用の目安
自由診療とは【オルソケラトロジー】
初期費(各種検査&トライアル):1万円
※眼軸長検査、前眼部OCTによる角膜トポグラフィ、角膜内皮細胞検査を含む
初月診察:1万円
2・3ヵ月目診察:8500円/月(両眼)、6700円/月(片眼)
4ヵ月~(3ヵ月ごとに診察):8500円/月(両眼)、6700円/月(片眼)、症状により診察頻度が異なる
レンズ買い替え・紛失時:1万5000円/1枚
破損・度数調整の交換は1枚につき年2回まで保障
近視進行抑制(点眼)/4400円~

