大槻 武司 院長の独自取材記事
新橋烏森通り歯科
(港区/新橋駅)
最終更新日:2026/09/17
2001年に開院した「新橋烏森通り歯科」は新橋駅から徒歩5分に位置する。大槻武司院長の治療方針は、口腔内の不調を全身の状態から捉えること。「歯科医師は、苦手な治療があってはならない」という信念のもと、常に勉強を続け自ら研究会も立ち上げている。そのため同院は、幅広い歯科分野に対応する他、過去に治療を受けた箇所に不具合が生じた場合の再治療も多く手がける。常にスポーツをしている大槻先生の製作するマウスガードは、呼吸のしやすさと、それぞれのスポーツに合わせた作りにこだわっている。「患者さんが治療を繰り返さずに済む口腔状態をめざす」と語る大槻先生に、治療のポリシーを中心に話を聞いた。
(取材日2026年7月27日)
全身から疾患を捉え、口腔の健康の長期的な維持を図る
クリニックの特徴を教えてください。

当院では患者さんの口腔内だけではなく、体全体の状態を把握して診療しています。生活習慣や居住環境、仕事などの環境も疾患に影響しますので、生活背景もお聞きして、その人に合った治療計画を立てています。歯科の分野は進化が早いため、常に学ぶ姿勢が大切です。現在は診療と並行して大学院で学んでいる他、14年前からは自身で立ち上げた研究所でセミナーを開催し、歯科医師たちと学びと実践の訓練を定期的に行っています。そのため、当院では一般歯科、根管治療、インプラント治療、補綴、矯正治療など幅広い診療に対応しています。開業して25年となるため紹介で来る方が多いのですが、どなたでも、相談だけでも受けつけています。当院は歯科医師の私、歯科衛生士の妻、麻酔専門の歯科医師、歯科技工士という少数精鋭のスタッフで診療しています。
診療のポリシーは何でしょうか。
適切な治療により、歯の治療を繰り返すことのない良い状態を長く維持することです。例えば歯並びは、生まれ持った体質と育った環境でつくられます。必ずしも整っている必要はなく、生活に支障がなければ、その状態を維持することが大切です。問題なく食べられるのに矯正をすると、歯並びが整ってもさまざまな不具合が生じることがあります。多様な環境を経てつくられた患者さんの歯並びを、なるべく維持するためのお手伝いをしたいですね。また当院は、虫歯や補綴、根管治療などの再治療が多いのも特徴です。患者さんの口腔内を診ると、主訴以外にも問題があることが多いので、その場合は歯の状態を丁寧に説明し、理解していただいてから治療します。歯の治療は継続的な学びと治療の訓練、全身の医学知識のどれが欠けてもできません。常にそれらを磨き続けることで、特定の治療を苦手としない歯科医師でありたいと考えています。
患者さんの主訴と年齢層、新橋という地の特性を教えてください。

新橋という土地柄、昔この土地で働いていた方や、そのお子さんやお孫さんが受診されることも多く、年齢層は小さなお子さんからご高齢の方まで幅広いです。また研究会を立ち上げてからは、そのご縁で知り合ったさまざまな地域の方が、東京に来たら寄ってくださるようになりました。新橋は東京駅や品川駅、羽田空港からもアクセスしやすく、遠方からでも通院しやすい立地だと感じます。患者さんの訴えも多岐に渡るため、保険診療から自由診療まで幅広く対応しており、小さいお子さんの矯正も行っています。2001年に開業した当時の新橋はビジネス街で、土日は閑散としていました。しかし、再開発が進み飲食店が増えたこともあって、土日も人通りが多くなりましたね。
知識の更新と治療の訓練を日々の診療に生かしていく
診療において心がけていることは何ですか?

歯の痛みは体全体が引き起こすので、対症療法だけでは根本的な解決にはなりません。そのため、治療前のカウンセリングを大切にしています。具体的には、生活背景や歯科以外の病歴などを伺っています。その背景をもとに複数の選択肢の中から、希望する治療法を患者さんに選んでいただきます。全体の治療像を理解し、今何の治療をしているかを把握できるよう丁寧なカウンセリングを行っているので、安心につながると思います。
先生が立ち上げた研究会ではどのような活動をしていますか?
歯科医師同士が常に学び合い、意見を交換できる場を持ちたいと考え、14年前に研究会を立ち上げました。他業種の知人にスポンサーとして協力いただいているため、医療メーカーの縛りがないのが特徴です。毎年勉強会を行っていて、内容の企画から準備まですべて自分たちで行っています。開催場所もさまざまで、今年は沖縄で行いました。講師を招く際も、自分たちが学びたいテーマをもとに適任の先生へ依頼しています。歯科医師は知識とともに技術も必要です。豚の顎を使用して、治療のトレーニングをすることもありますね。立ち上げ当初は20人ほどだった参加者も、現在は200人近くになりました。2年に一度は海外セミナーとしてハワイでも開催していて、こちらも約80人が参加しています。私も教える側に立つこともありますが、人に教えることは自身の勉強にもなりますね。
先生の作るマウスガードの特徴について教えてください。

当院では患者さんの口腔内の状態に合わせ、呼吸をしやすいマウスガードの作製をめざしています。マウスガードはスポーツによって形状が異なったり、競技によってNGな色があったりと奥が深いのです。マウスガードを作成する際は呼吸のしやすさに配慮することが重要で、そのために歯のぶつかるところは厚みをもたせ、内側を薄くすることが大切です。患者さんの歯に沿った形にすることも大事ですね。私自身、高校時代からボクシングを続けているので、その縁でサポートしている選手も多く、現在はボクシング以外にもムエタイなどの格闘技や、サッカー選手など、数多くのアスリートをサポートしています。選手たちが競技に打ち込めるようマウスガードの製作者たちに、セミナーを通して細かい違いの大切さについて伝えています。
より良い治療をめざしながら、後進の育成を
歯科医師をめざした理由と、心に残るエピソードを教えてください。

中央大学文学部在籍中に、母親に「手先が器用なので、歯科医師になったら」と勧められたのがきっかけです。私立大学歯学部の入学金は、父親の退職金が充てられていたと後で知りました。歯科医師の駆け出しの頃、勤めていた歯科クリニックにおばあさんが入れ歯を20セットほど持参して来院し「入れ歯が痛くて噛めない。半年我慢したけど限界です」と訴えられました。口腔内で入れ歯が動くことが痛みの原因とわかったので、調整を行いました。すると翌日そのおばあさんが再来院し、まだ年若い私に深々と頭を下げられたのです。その時、私でも誰かを喜ばせることができるのなら、この仕事に一生懸命に向き合っていこうと思ったのです。この出来事を胸に、勉強の継続と患者さんへの謙虚な姿勢を忘れずに日々の診療に臨んでいます。
休日の過ごし方やご趣味を教えてください。
20年ほど前に格闘家たちと始めたフィジカルトレーニングを、週に1度行っています。長年の付き合いなので、選手から社会人になった人もいれば、現役のチャンピオンもいるなどメンバーは多彩です。ゴルフの練習も週に1度は必ず、高校時代に始めたボクシングも月に1度は行っています。頭の疲れと体の疲れは異なるため、頭が疲れた時は体をトレーニングで追い込むとスッキリするのです。心身をリセットするために、運動は欠かせないですね。また、勉強会などに1人で向かう時間もリフレッシュになります。飛行機では読書や映画鑑賞を楽しみ、仕事をしないと決めています。歯科衛生士の妻との外食も良い気分転換になりますね。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

歯科医師をはじめて30年以上になりますが、この仕事は好きですね。日々より良い治療をめざしながら、それを後進に伝えていくことにも力を入れていきたいですね。大学で教えていた時に「誰もが社会で生かせる『良いもの』をもっています。それを見つけて社会で人のために生かし、人生を楽しんでほしい」という話を生徒たちにすると、皆目を輝かせて聞いていました。私の場合はそれが歯科医師の仕事ですね。もし、患者さんに「来て良かった」と思っていただけるようなことがあれば、何よりも喜びを感じると思います。当院は保険治療も行っていますし、カウンセリングだけでも健康を取り戻すきっかけになると思うので、お悩みがあればお気軽にご相談に来ていただければと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはスポーツマウスガードの作製/3万3000円~、インプラント治療/50万円~、矯正/80万円~、小児矯正/33万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

