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小関 温子 院長の独自取材記事

小関クリニック

(世田谷区/成城学園前駅)

最終更新日:2026/08/17

小関温子院長 小関クリニック main

緑と季節の花々に恵まれた成城の地に「娘の喘息のために良い環境を」との思いから住むようになり、開業の地に選んだ「小関クリニック」の小関温子院長。愛育病院で育児学と小児医療を学び、育児に詳しい小児科医として、多くの母親から頼られている。やわらかく優しい雰囲気だが、言うべきことははっきり伝えるという面も持つ。最近では、子どもだけでなく、近隣の高齢者など大人の内科診療にも注力する。「人生のホームドクター」として誠実で温かい医療を届けたいという小関院長に、医師としての歩みや診療の特徴、子どもを育てる親たちへの思いを語ってもらった。

(取材日2026年7月24日)

緑に恵まれた成城で半世紀にわたり子どもと親を支える

こちらは半世紀の歴史がある小児科と聞きました。

小関温子院長 小関クリニック1

1974年に開業して以来、小児科として近隣のお子さんをたくさん診てきました。私は患者さんに物事をはっきりと言いますが、それを好んでいらしてくださる親御さんが多いようです。育児学を学んだ小児科医師として、子どものためになること、ならないことを親御さんに伝えていきたいと考えています。発達障害や精神的な面での問題などがあっても、かわいさゆえに親御さんが見過ごしてしまうことがありますので、時期を見計らって必ずアドバイスをするようにしています。最初は驚かれる方もいらっしゃいますが、きちんと受け止め、感謝いただくことも多いですね。こういった私の考えと診療方針を理解している方が通ってくださっていますね。また、これまで働き盛りの世代を診療してきた経験もありますので、小児科だけでなく内科にも対応しています。

医師を志したきっかけを教えてください。

私が小学4年生の頃、医師であった父に「必ず、将来男女同権の時代が来る。医師は男性と同等な立場で仕事ができる」と言われました。当時はぴんとこなくて反発し、建築家や外交官に憧れたこともありましたが、最終的には医師になろうと決め、現在に至ります。父の言葉は「自立した女性になってほしい」という娘を思う気持ちだったのでしょう。父はたいへん真面目で厳格な人で、正義感が強く、無医村での診療もしていました。北海道で働いていたこともあり、その時は馬に乗って往診していました。「患者さんに先生の顔を見ただけでほっとしたと言われると、その言葉だけでも医師になって良かったと思うよ」と話していたことを覚えています。

どうして小児科を選ばれたのでしょうか。

小関温子院長 小関クリニック2

医師のシンボルともいえる聴診器を日常的に使う科がいいなと思い、その中でも赤ちゃんに接する小児科に惹かれました。赤ちゃんは人生の中で一番純粋で、心がきれいだと思ったからです。大学卒業後は、育児学で知られ、日本の小児科医として心から尊敬する故・内藤寿七郎先生がいらっしゃる愛育病院の小児科に入局しました。新生児から子どもが成長していく過程でかかる病気の診断、治療に加えて育児学も学び、新生児医療から乳幼児の診療まで幅広い診療に携わってきました。

成城の地で開業されたきっかけは?

父が病に倒れて、川崎市のクリニックを手伝うようになりました。当時は大学の薬理学教室で研究もし、虎の門病院の小児科で非常勤医師としても働いていました。加えて子育て中でしたので、毎朝5時に起きて本当に頑張っていましたね(笑)。そのような中、娘の喘息がひどくなったことから、空気の良い場所に住みたいと考えていたところ、とても自由な教育方針と園庭が広い幼稚園が成城にあると知り、成城に住み始めました。父が回復したこともあり、自分の思いどおりの診療をしたいという気持ちが生まれて、大好きな成城の町で開業することにしたのです。

「人を診る医療」の精神を礎として患者と向き合う

診療方針について聞かせてください。

小関温子院長 小関クリニック3

恩師である内藤先生の「正常児を知らずして小児科医にあらず」という言葉を大切にしてきました。これは正常な発育をしている子どもたちを理解した上で、病気なのか、あるいは個人差なのか、そこを見極めることが大切ということです。また、病気だけを診るのではなく、患者さん一人ひとりの背景やご家族の思いに寄り添い、その人生を支える医療の大切さを学びました。この「人を診る医療」の精神は、私の医師としての礎です。その後、地域医療の現場で多くの患者さんと向き合う中で、医療の役割は治療だけでなく、健康を守り、安心して暮らせる毎日を支えることにあると実感してきました。

園医や日本女医会など院外の活動にも積極的に関わられていますね。

父のクリニックを手伝っていた時、川崎市医師会からの依頼がきっかけで、公立の保育園の園医を務めました。今も多くの保育園の園医を務めており、月に1回は保育園へ診療に行っています。保育園と関わり続けているのは、やはり子どもが好きだからだと思いますね。園医として多くの子どもたちを診ることは、小児科医としてとても大事なことで、勉強になる場でもあります。また、母校の同窓会や日本女医会の活動にも力を入れ、日本女医会を通じて国際女医会の活動にも参加してきました。診療を続けながらの社会活動は苦労もありますが、いろいろな人との接点やつながりが増えて幅が広がり、その大切さを実感しています。男性と同等の活動に積極的に参加しながら、今後は後進を育てていくことも私の大きな使命であると思っています。

後進の医師の皆さんにはどのような思いがありますか。

小関温子院長 小関クリニック4

女性医師が増えてきて、男性医師に負けない資質を持った先生もたくさんいらっしゃいます。ぜひ頑張っていただきたいと思うのと、子育ての時期を乗り切ってほしいと思っています。医師にもいろいろな道がありますから、自分に合った生き方で、医師として女性として歩んでほしいと思います。小児科医には、ぜひ育児学を学んでほしいと思います。育児学を身につけていないと、親御さんに何か聞かれた時に正しい回答ができませんよね。また、医師である以上、政治を含めて世の中のことをよく知ることも大切なことですから、日々の学びを心がけてほしいなと思います。

「人生のホームドクター」として誠実で温かい医療を

子育て中の親御さんに伝えたいのは、どのようなことでしょうか。

小関温子院長 小関クリニック5

子育ての中でいろいろな悩みもあるかと思いますが、子どもは本当にたくましいので、ある時期が来るとその子なりに成長していきます。子どもが泣いたり、いたずらしたりするのは、脳が発達して、いろいろなことがわかるようになったということであり、成長の証でもあるので、しっかり受けて止めてあげてださい。おおらかな気持ちでお子さんに接してほしいと思います。そして、優しい気持ちで、美しいものに対して感動できるようなお子さんに育ててほしいと思います。また、お子さんの健康を守るためだけでなく、集団生活の中で他のお子さんの健康を守る意味でも、予防接種はきちんと受けていただきたいですね。

今後に向けての展望について聞かせてください。

この地域もお子さんが少なくなって、小児科医師としては少し寂しい気がしていますが、一方で、高齢の方が帯状疱疹の予防接種を受けたいと来院されたり、介護の相談をされたりすることも増えました。少子高齢化が進み、新型コロナウイルス感染症を経験した今日では、感染症対策や生活習慣病の管理、予防接種、健康診断など、地域のかかりつけ医に求められる役割は広がっています。私は内科一般の診療経験もあり、勉強もしていますので、お困りになった時は頼りにしていただければと思います。私の息子は乳腺外科、娘は泌尿器科の医師になりました。私自身は、一人娘で父の後を継がなくてはならないという気持ちがいつもあり、それが重荷に感じることもありましたので、子どもには、それぞれが思う道を歩んでくれたらと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

小関温子院長 小関クリニック6

当院は、お子さんからご高齢の方まで、ご家族皆さんが安心してご相談いただけるクリニックをめざしています。体調がすぐれない時はもちろん「少し気になる」「まずは相談してみたい」と思われたときにも、気軽に足を運んでいただける存在でありたいと考えています。一人ひとりのお話に丁寧に耳を傾け、それぞれの生活や価値観を尊重しながら、適切な医療をご提供することを何より大切にしていますので、気軽にご相談ください。地域に根差した医療とは、長い年月をかけて信頼を積み重ねていく営みです。これからも愛育病院で培った医療の精神を大切にしながら、成城の皆さんの健やかな毎日を支える「人生のホームドクター」として、誠実で温かな医療を提供していきたいと思っています。